フィリピン地元紙で英語学習!「日本に向け、フィリピン産のオクラ初輸出」
この記事は、セブの代表的な新聞、「SUNSTAR」紙より、フィリピン留学や日本と関連する新聞記事を紹介しながら、英語の解説も行うシリーズです。
フィリピンやセブ島留学に興味のある方に、少しでもフィリピンを身近に感じていただきながら、かつ英語学習にも役立てていただければと思います。
※英文の著作権はすべて「SUNSTAR」紙に帰属します。
本日の記事はこちらです。
First batch of ‘okra’ export off to Japan
「”オクラ”日本へ輸出初出荷」
WITH coronavirus disease (Covid-19) aggressively wreaking havoc on the global economy, the agriculture sector continues to lead the way en route to the country’s economic recovery.
訳:コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい世界経済に大損害をもたらす中、フィリピン国内経済の復興に向けて、農業分野がその先頭を切っている。
◆ with 主語 ~ing [主語]が~するにつれて、~する中で ※限られた字数で描写しなければならない新聞ではよく使われる構文です。
◆ lead the way リードする、主導する、先導する
◆ en route ~の途中で ※on the wayとほぼ同じ意味ですが、フランス語からの借用でやや気取った表現。
Early Tuesday morning, September 29, Agriculture Secretary William Dar led the ceremonial send-off of the first batch of “okra” (ladyfinger) export to Japan at the Pairpags Center in NAIA Road, signaling the country’s attempt to corner a large chunk of Japan’s high demand for agricultural products.
訳:9月29日火曜日の朝、農務大臣ウィリアム・ダール氏は、マニラ空港通りにあるPairpagsセンターにて、日本に輸出される”オクラ(英名:Ladyfinger)”の最初の一団を見送った。これは、日本における農作物への高い需要に対し、フィリピンがその市場の大きな一角を占めたいという試みを示すものである。
◆ send-off 見送る ※ 空港で友人を見送る時などにも、Send off を使います。
◆ batch 一団、一回分、ひとまとまりの数量 ※ ここではオクラの最初の輸送分を表していますが、人の集団にもよく使われる単語です。例えばフィリピン留学では、同じ週に入学した仲間同士を「batch mate(バッチメイト、同期仲間・同期生)」と呼び、バッチが同じなら国籍や年齢や英語レベルが異なっても仲良くなりやすい傾向があります。
◆ attempt to corner a large chunk of ~ ~の大きな一角を占めたいという試み
★フィリピンでは、オクラは以前から日本と同じように「オクラ」と呼ばれています!
日本のものよりすこし大ぶりなものが多いですが、価格も非常に安く、フィリピン料理にもよく使われています。
Ladyfingerは英語での呼び名ですが、ほっそりとした女性の指を想像するとなかなか美しい英語名ではないでしょうか。
“As other business sectors continue to bleed on account of an economic slowdown due to this Covid-19 pandemic, we are blessed to have a sustained activity on the agri-industry front,” Dar said in front of the farmers’ group that made the export of local farm products possible.
訳:「他の業種がCovid-19の流行による経済の低迷のため血を流し続けるなか、我々は幸運にも農業という持続可能な活動を行うことができます」ダール氏は、現地の農作物の輸出を可能とした農家達の前でこのように述べた。
◆ bleed 血を流す ※Blood(名詞「血」)の動詞形です。
◆ on account ~ ~のために(~の理由で)
◆ due to ~ ~による、~のせいで(~が原因で)
The okra export batch was harvested from different farms from 14 barangays in Tarlac — Victoria, Balayang, Palacpalac, Batang-Batang, Lalapac, Mayang, San Pascual, Villa Bacolor, Matayumtayum, San Jose, San Manuel, Balingcanaway, Cutcut and Lapaz.
訳:オクラの輸出分は、ターラック地方の14のバランガイ(フィリピンの行政単位)にあるいくつかの農場にて収穫されたものである。14のバランガイは、ビクトリア・バラヤン・パラクパラク・バタンバタン・ララパク・マヤン・サンパスクアル・ヴィラバコロル・マタユムタユム・サンホセ・サンマヌエル・バリンカナウェイ・カトカト・ラパズである。
★バランガイとはフィリピンの行政単位で、区や市よりも小さく、町や村のような概念です。
各バランガイにはバランガイキャプテンというその地区の長がおり、住民の守るべきルールなどをバランガイが決めることもあります。一般的な行政手続きは、市役所よりもバランガイホール(町役場)で行うことも多く、フィリピン政府もその一部権限をバランガイに与えています。
The project involved 300 farmers led by young farmer-entrepreneurs Jeffrey Fernandez and Rap Pelayo of Jel Farms.
According to Fernandez and Pelayo, with the present set-up, a farmer can earn up to P90,000 to P100,000 net of expenses per hectare. Same goes with another in-demand agricultural product for Japan — edamame. Both products are in demand in the cities of Tokyo, Osaka, Kobe and Nagoya in Japan.
訳:プロジェクトには300の農業従事者が参加しており、ジェル・ファームの若い農業起業家ジェフリー・フェルナンデス氏とラップ・ペラヨ氏が率いている。
フェルナンデス氏とペラヨ氏によると、現状で、農家はヘクタールあたり9万ペソから10万ペソ(約20万円)を稼ぐことができる。日本で需要があるもう一つの農産物、エダマメ(枝豆)も同様である。オクラとエダマメは、両方とも日本の東京や大阪、神戸や名古屋などで需要がある。
◆ according to ~ ~によると
◆ same goes with ~ ~も同様である、~にもまた同じことがいえる
◆ in-demand 需要のある、求められている
★もちろん上記以外の日本の都市でもオクラ・枝豆の需要はあると思いますが、この4都市は一般的なフィリピン人への知名度が高い都市名です。ぱっと聞いて日本の街だね、とわかる人が多いです。
Harvesting schedules are from September to July, while planting can be done all year round.
Targeted for okra and edamame expansion is 900 to 1,000 hectares.
訳:収穫時期は9月から7月にかけてで、植える時期は1年中可能である。
オクラと枝豆の農地として、900から1000ヘクタールの拡大が目標とされている。
But Dar said the earnings could easily reach up to P120,000 per hectare for both okra and edamame if the farmers could avail themselves of a cold storage, which he assured would be prioritized by his office.
“Under my watch, I assure you that the Department of Agriculture will extend all the assistance we can give to every farmer, including the group involved in this okra-edamame exportation to Japan, to enhance our agricultural production, and in the process, advance the livelihood of our farmers,” said Dar.
訳:しかしダール氏は、もし農家達が冷蔵設備を利用するようになれば、オクラと枝豆の両方を生産することでヘクタール当たり12万ペソをたやすく稼ぐことも可能になると述べた。彼は、冷蔵設備の導入は彼のオフィスで重点を置いていると請け負っている。
ダール氏はこのように述べた。「日本へのオクラ・枝豆輸出にかかわる団体を含むすべての農業従事者に対し、私の監督のもとで、農務省はできる限りのあらゆる支援を行うつもりです。そうして我が国の農業生産力を増進し、その過程で農業従事者の生活の向上させることができます。」
◆ assure 請け負う、保証する
◆ avail oneself(人)of ~ ~を利用する
◆ extend assistance 支援の手を差し伸べる
★新聞記事では、具体的な支援内容についてまでは述べられていませんでしたが、農務省が支援し、今後もオクラ・枝豆の生産量が増えていくと思われます。日本では冬の時期に収穫量が落ちるので、品質が良く価格も安いフィリピン産のものが入手しやすくなるといいですね。